ある少年が、お寺で水を飲んでました。
その様子を見た住職
住職
「これこれ、ちゃんと水を飲みなされ」
少年
「飲んでるよ」
住職
「いや、飲んどらん、君は水を飲んどらん」
不思議に思った少年は何度か水を飲むのですが、住職の答えは同じです。
だんだん、少年はからかわれているのかと思い、イラつき始めました。
その様子を見て住職はこんなことを言ったそうです。
「今、君が飲んだ水は、その昔、天から雨が降って、大地に吸い込まれて、長い年月をたどって水道から出ておるのじゃ。
だから、さっき飲んだ水と今飲んだ水は違う。
そう考えると水一つとはいえ、目の前に広がる大自然を体内に取り込んでおるのじゃ」
それを聞いた少年は改めて水を飲んでみた。
すると、水はこんなに美味しかったのかと驚嘆するほど美味しかったそう。
さて。
これはトンチ坊主が放った屁理屈でしょうか?
違いますよね。
世の中を緻密に見た結果、言える事実です。
さて。
そう考えたとき、この文章を読んでいるあなたには奇跡が起こっているのです。
あなたはギターを弾いているのでしょう?
弾けたところで特に生活が変わることも、改善することも無い
弾けたところで健康状態が改善するわけでもない
弾けたところで経済的に豊かになるわけでもなければQOLが高まる保証もない。
そんな一見、論理で考えると無駄なことをやっているのです。
僕はそんな無駄なことを教える、大馬鹿者かもしれません。
でも、先の視点でみたらどうでしょうか?
僕達の身体を構成している60兆の細胞(ホントは37兆という説もあるようだが、まぁ、おいておきましょう)。
これらが毎日正常に機能しているから、あなたはギターを弾けるのです。
そして、その60兆の細胞はたった一つの受精卵から始まっています。
そして、この受精卵を作った存在を両親と呼びますよね。
この両親も一つの受精卵から始まっている。
あなたを作った受精卵には膨大な数の両親がいる。
それを先祖というわけですが、彼らの存在のおかげであなたは今、ギターが弾けるわけなのです。
よく、ギター弾くのに
「自分はうまくなるんだろうか?」
「ものになるんだろうか?」
「後悔しないだろうか?」
ということを氣にする人に出会います。
そんなことよりも、もっと大事なことがありませんか。
膨大な祖先の結果が今のあなた。
そのあなたがギター弾きたいとおもったからギター弾いているのです。
それってみんながみんな共通して思うことではありません。
考えてみたことはあるけど結局弾かなかった、という人もいます。
僕達にとってはギター弾くのは普通のことかもしれないけど、
「楽器演奏なんて考えたこともない」
という人はいるんです。(というか、そういう人の方が多い)
こんな楽しいのにね。
でも、この事実から一つわかることがある。
それはあなたにはギターを弾くセンスがある、ということです。
そういうセンスがあるから60兆の細胞があなたにギターを弾かせたのです。(多分自分の勝手な意思で弾いていると思っているかもしれませんが)
弾けたら良いなぁ、と思っているだけにとどまらず
大枚はたいてギターを手に入れ
実際に祖先から継承した60兆の細胞をもってそれを弾いているのです。
これは事実ですよ。
その事実を認識したら、もう、うまくなるなんてのはどーでも良いよね。
ただ、ギター弾けることがありがたいではないですか。
60兆の細胞を継承した祖先も「おぉ~、やれやれ、応援するぞ」といっているからあなたはギターを弾けるのかもしれませんよ。
とにかく、ギター弾けることを喜びましょう。
ギター弾けることに感謝しましょう。
純粋にギター弾けることを楽しみましょう。
あなたが出す音はあなたにしか出せない音なのです。
追記
ちなみに、こういう態度でいると変な努力をしなくなります。(あとから振り返るとわかる)
結果、スピーディーに納得行くレベルでうまくなるのです。